岩礁鷹図2023年11月13日 13:03

明治 25 年頃 で、春嶺初期の作品となる。 四条派の付立ての技法で勢いある岩礁と繊細な筆使いでの白鷲の対比が印象的な作品である。春嶺の四条派の伝統的な花鳥画は、本画では岩礁鷹図と孔雀図、二つが知られているだけである。四条派の描き方を深田(直城)塾で学んでおり、いくつかの模写と写生が残されている。それらのなかで、森川曽文の江ノ島富士図を模写したものがあった。岩礁鷹図の岩の表現は、その模写に近似していることが確認できる。なお森川曽文は深田直城の師であり、花鳥風月画だけでなく、風俗画から美人画も残されている。